「理学療法士はオワコンってよく耳にする…」
「理学療法士がオワコン言われる理由ってなに?」
「オワコンにならないためにはどうすればいいの?」
今実際働いている人のなかには「理学療法士としてこの先も働きつづけていいのか…」と不安に思っている方もいるかもしれません。
理学療法士はまだオワコンではありません!働くさまざまなメリットや魅力のある仕事です。
ただ、理学療法士という仕事の実情を考えると、オワコンと言われる理由が存在していることも事実です。
そこで、この記事では現役理学療法士である自分が以下の内容を解説していきます。
- 理学療法士がオワコンは嘘である根拠
- オワコンと言われる理由
- オワコンにならないためのおすすめ対策
- 将来オワコンになりえる理学療法士の特徴
この記事を読むことで、理学療法士の魅力に改めて気づくことができ、日々やりがいを持って働けるようになるでしょう。
ぜひ最後までお読みください。
【結論】「理学療法士がオワコンは嘘である!」4つの根拠を解説
理学療法士がまだオワコンでない根拠をお伝えするために、理学療法士の魅力を4つ厳選して紹介します。
- 専門性が高い
- 社会貢献性が高い
- キャリア選択の幅が広い
- 機械に代替されない
それぞれ詳しく解説していきます。
1.専門性が高い
理学療法士は専門性の高い職業であることが魅力の1つです。
実際、痛み改善や転倒予防などリハビリのスペシャリストとして患者の安心安全な暮らしを支える仕事は他にはありません。
知識やスキルなどさらなる専門性を高めていくことで、希少価値が高く社会から重宝される人材にもなれます。
また国家資格を取得する必要があるために、社会的な信用度も高い職業といえるでしょう。
2.社会貢献性が高い
今の社会それから未来の社会に対して幅広く貢献できることが魅力です。
今後の日本はさらなる高齢化にともない「予防医療」の重要性が見直されるようになるでしょう。理学療法士は「予防医療」の観点において、地域住民に対する健康維持していくための支援に密に携わることが可能です。
そのほかにも、
- 患者家族への負担を減らすための指導・助言
- 次世代の育成事業
- 医療技術の研究・開発のサポート
など医療の分野におけるさまざまな角度から大きく貢献していくことができます。
社会貢献していることを実感することがそのまま仕事のやりがいにもつながります。
3.キャリア選択の幅が広い
これからのキャリアを考えていく上で選択肢が豊富に存在することから将来性のある職業だといえます。
実際に、
- 今の職場で働きつづけてマネジメント業務に携わる
- 興味のある分野を探究しつづけて1つの分野に特化した理学療法士になる
- 独立して自分の会社を開いたりフリーランスとして活動する
- 現場の経験を活かして人材紹介会社や医療機器メーカーなどの一般企業へ転職する
といった臨床現場から離れた場所からでも、現場の経験を活かして活躍することも可能です。
理学療法士としてのキャリア選択が幅広いため、本当にやりたいことやなりたい理想像を見つけやすいことに魅力を感じます。
4.機械に代替されない
理学療法士は機械にとって代わられることのない職業といえます。
リハビリには、毎回決められた処理を行うのではなく、患者ひとりひとりの思いや悩みに寄り添って行うことが求められるからです。
実際、画像分析やリハビリプログラムの作成など人がやらなくても良い部分は機械化が進むといわれています。ただ機械は患者に安心感を提供するホスピタリティの仕事までは再現できません。
おもてなしの心や思いやりといった人間味が強く求められる仕事だからこそ、機械化が進むといわれるこれからの社会においても生き残りつづけるでしょう。
理学療法士がオワコンと言われる4つの理由
「理学療法士はもうオワコンだ」と一部から言われているのも事実です。なぜそのような声が聞かれているのでしょうか?
ここでは、理学療法士がオワコンと言われる理由4つを紹介していきます。
- 飽和している
- 給料が低く、昇給しにくい
- やりがい搾取される傾向がある
- 持っているスキルや経験が評価されにくい
順番に解説していきます。
1.飽和している
養成校の増加(※)により理学療法士は年々増えており、飽和状態にあることがオワコンと言われる理由になります。
※参考:統計情報|日本理学療法士協会
実際、2019年に行われた厚生労働省の理学療法士・作業療法士需給分科会によると、2040年には理学療法士の供給数が需要数の1.5倍になると推計されています。
需要と供給のバランスが崩れてしまうことで働ける場所が少なくなり、就職できなかったり希望先への転職ができなかったりするリスクが発生してきます。
2.給料が低く、昇給しにくい
理学療法士は他の給与取得者と比較して平均的な給料が決して高いとはいえない現状です。
国税庁の民間給与実態統計調査によると、令和4年度の給与所得者の平均給与は458万となっています。
対して、厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査によると、理学療法士の平均年収は約431万円であり、他給与取得者の平均給与を下回っています。
理学療法士平均年収 | 431万円 |
---|---|
給与所得者平均年収 | 458万円 |
参考:令和4年分 民間給与実態統計調査|国税庁
参考:令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省
また、理学療法士の給料はリハビリの内容問わず一律の診療報酬で決まっているため、大きな昇給は難しいとされています。
給料が低いことや大きく昇給しにくいところがオワコンと言われている理由です。
3.やりがい搾取される傾向がある
理学療法士は「やりがい搾取」される傾向がある職業といわれています。
例を挙げると、
- サービス残業
- 休み返上での研修会や学会への強制参加
- 患者のために自己犠牲すべきという価値観の押し付け
- 目的のない資格勉強
などがあります。
職場の雰囲気にのまれて身を削って働く。その結果、心身ともに疲弊して自分自身でやりがいを見出せなくなってしまう。働いている職場や部署によってそのような実情があることも確かです。
4.持っているスキルや経験値が評価されにくい
理学療法士は仕事の性質上、数字などを用いた評価の見える化が難しく、業績評価しにくい職種です。
実際、営業職や販売職などの業績や成果を数値化しやすい職種と比較すると、職場内における評価基準があいまいになってしまう部分があります。
管理職者が従業員の能力や成果を正確に把握できないと、従業員の不満感やモチベーション低下につながりかねません。
従業員のスキルや経験値を正しく評価できず、給料や役職を年功序列制度に頼っている部分がオワコンと言われる理由といえるでしょう。
理学療法士としてオワコンにならないためのおすすめ対策3選
理学療法士としてオワコンにならないためのおすすめ対策を3つ厳選して紹介します。
- 専門性を磨いて市場価値を高めていく
- 副業に挑戦する
- 転職を考える
理学療法士として将来は今の働き方次第で全く変わったものになります。
1.専門性を磨いて市場価値を高めていく
専門的なスキルや知識を磨いて理学療法士としての市場価値を高めることは大切です。
市場価値が高まることで、企業側から求められる人材となったりさらなるキャリア選択の幅が広がったりするからです。
何が起こるか分からないこれからに向けて、時代の流れに淘汰されないためにも専門性を磨いていくことは必須ともいえます。
興味のある1つの分野に特化することがより企業から求められる人材に近づくでしょう。
専門性を磨きつつ実績もつけていきたいと考えている人は、日本理学療法士協会によって認定される「認定理学療法士」や「専門理学療法士」の資格を取得することをおすすめします。
2.副業に挑戦する
空いている時間を使って副業に挑戦していくことがおすすめです。
副業に挑戦することで、経済的に安定したりその分野における専門的なスキルが身についたりするメリットがあります。
世の中にはさまざまな副業が存在していますが、理学療法士の資格を活かせる副業に挑戦すべきです。
たとえば、
- Webライター
- 講演会などの講師活動
- noteや書籍などのコンテンツ作成・販売
- ジムや体操教室でのスポーツトレーナー
- デイサービスや訪問リハビリなどで非常勤勤務
が挙げられます。
本業との兼ね合いで体力的に辛くなったりプライベートの時間が減ったりとデメリットもありますが、挑戦すること自体に価値があり、スキルや経験は必ず自分を助ける力になるでしょう。
自分も現在Webライターに挑戦していますが、新たな目標を持てたことで充実した毎日を過ごせています。
3.転職を考える
今の職場に不満を感じていて、この先も理学療法士を続けていくべきか悩んでいる人はぜひ転職を視野に入れましょう。
特に「給料が低い…」「やりがい搾取されているかも…」と悩んでいる人は訪問リハビリで働くことがおすすめです。
今の日本は超高齢社会を迎えていて、訪問分野に関連する市場が上向き傾向にあり需要が高まってきています。
実際に、
- 給料が高い
- 残業が少ない
- 希望日に休みが取りやすい
など訪問リハビリは今の悩みを解決するメリットが多く存在していて、自分自身でやりがいも感じられます。
>>訪問リハビリに関する詳しい内容についてはこちら「【転職経験者が語る】訪問リハビリのやりがい4選!病院勤務から転職した経験をもとに徹底解説」
転職にネガティブなイメージをを持っている人もいるかもしれません。
ただ、自分自身で選んだ前向きな決断であれば立派な決断といえます。
「現状に満足して行動しない理学療法士」はオワコンになりえる
まだまだオワコンとはいえない理学療法士ですが、「現状に満足して行動しない」ことは将来的にオワコンとなりえる可能性が高く要注意です。
医学の分野は常に発展していて、理学療法士の成長にも終わりはないため、新しいことへ何も挑戦しないことはすなわちそのまま衰退していくことを表します。
長いスパンで見たときに行動してきた人と行動してこなかった人の差は歴然です。実際に今活躍している人たちは現状の環境や立場に決して満足せず、難しいと感じることにも挑戦してきたからこそ今があります。
毎日少しでも良いです。オワコンといわれる理学療法士にならないためにも、現状に満足せず将来を見据えた行動をとっていきましょう。
「そもそも目標がない…」「何をすればいいかわからない…」という人は、まず自分が近い将来どんな人生を送りたいのか考えるところから始めてみましょう。
「理学療法士がオワコンは嘘である!」のまとめ
今回は、「理学療法士がオワコンは嘘である」ことの根拠をお伝えしつつ、理学療法士がオワコンと言われる理由やおすすめ対策について解説してきました。
- 専門性が高い
- 社会貢献性が高い
- キャリア選択の幅が広い
- 機械に代替されない
- 飽和している
- 給料が低く、昇給しにくい
- やりがい搾取される傾向がある
- 持っているスキルや経験が評価されにくい
- 専門性を磨いて市場価値を高めていく
- 副業に挑戦する
- 転職を考える
理学療法士がオワコンと言われる理由はたしかに存在しますが、「理学療法士として働きつづけたい!」「時代が変わっても活躍しつづけたい!」と考えている人はたくさんいるでしょう。
大切なことは、専門性を磨いていったり副業に挑戦したり自分の将来を見据えた行動を今からとっていくことです。
ぜひ、周りの意見に流されずに自らの意思で行動していき、これからも素晴らしい理学療法士人生を歩んでいってください。