「巻き肩によって体に不調が起きている…」
「巻き肩を治したいけどなかなか治らない…」
「どうやって治すのが正しいの?」
巻き肩についていろいろ調べて試してはいるけど良くなる気配がしない…そんな状況から一刻も早く抜け出したいですよね。
実は、巻き肩が治らない本当の原因は普段の生活習慣にあります。根本的な原因を改善しなければ、いくら自分でストレッチやマッサージを行ってもすぐに戻ってしまうでしょう。
この記事では、実際の臨床現場で200人近くの患者さんのリハビリを担当してきた理学療法士である自分が以下の内容を解説していきます。
- そもそも巻き肩ってどういう姿勢なのか
- 巻き肩が治らない本当の原因は『普段の生活習慣』に潜んでいる
- 巻き肩が治らない人の改善すべき6つの生活習慣
- 治らない巻き肩にしない!日常で気をつけたいポイント3選
- 治らない巻き肩を解消する!おすすめ簡単エクササイズ3選+α
巻き肩が治らないと悩んでいる方はもちろん、最近姿勢が悪くなってきていると感じる方にも非常に有益な内容となっています。
ぜひ最後までお読みください。
【前提知識】巻き肩ってどういう姿勢なのか?30秒でサクッと解説
巻き肩とは、『肩が前に突出して内側に巻かれてしまっている姿勢』のこと
肩や胸周りの筋肉のバランスがとれなくなったことによって起こると言われており、「スマホ巻き肩」という言葉が誕生しているほど現代人にとって身近な存在になっています。
- 自然に立った時に手の甲が正面を向いている
- 立った状態でバンザイをしたときに腕が耳より前に出てしまう
- 仰向けに寝た時に両肩が床から浮いてしまう
上記に1つでも当てはまるようであれば、「巻き肩」である可能性が非常に高いです。
巻き肩を放置することで「肩こり」や「猫背」につながる他にも「頭痛」「腰痛」「睡眠の質低下」などさまざまなリスクが考えられます。
一刻も早く治すべき悪い姿勢といえますね。
【結論】巻き肩が治らない本当の原因は『普段の生活習慣』に潜んでいる
結論からお伝えします。
巻き肩が治らない本当の原因は『日常の中に潜んでいる巻き肩になる姿勢や行動を把握できておらず、根本的な解決が行えていない』こと
いくら自分でマッサージやストレッチなどケアを行っても、日常の中で誤った行動や姿勢をとっていることを把握し改善しなければ、根本的な解決とはならずにすぐ戻ってしまうからです。
実際自分がこれまで患者さんを見てきて、症状が良くならないと悩む患者さんは普段の生活で症状を悪化させる行動や姿勢を取っていることがほとんどです。
そのためまずは普段の生活から改めて見直し、改善していくことが大切になります。
とはいえ、「普段の生活でどんな行動が巻き肩を助長してしまうのか分からない…」と感じる方もいるでしょう。
そこで次の段落では巻き肩が治らない人の特に改善すべき生活習慣を解説していきます。
巻き肩が治らない人の改善すべき6つの生活習慣
改善すべき6つの生活習慣を紹介します。自分は何に当てはまるのかチェックしてみてください。
- スマホやパソコンを長時間使用している
- 前かがみの姿勢をよくとる
- 運動不足になっている
- 横向きで眠る
- 筋トレ後のケアが不足している
- 肘に掛けてカバンを持つ
順番に解説していきます。
1.スマホやパソコンを長時間使用している
巻き肩になる習慣として、まず考えられるのが「誤った姿勢でのスマホやパソコンの長時間操作」です。
現代は多くの人にとってスマホやパソコンが生活に欠かせないものとなっています。しかし肩を前に出し画面を覗き込むようなで姿勢で長時間使用することが筋肉を固めてしまい、巻き肩を強める原因となっています。
一般社団法人日本リカバリー協会が行った調査で、スマホや携帯を1時間以上触り続けると肩こりや首痛を自覚する確率が急激に増加するという結果も出ています。
そのため普段触っている時の姿勢を見直し、適度に休憩する時間を作る必要があるといえるでしょう。
2.前かがみの姿勢をよくとる
前述の1に深く関連してきますが、前かがみの姿勢をとる習慣が多い人は巻き肩になりやすいです。
前かがみにより頭が前に倒れることで、頭の重さに引っ張られ肩や首が前に出やすくなります。
そこで、意識して前かがみの姿勢をとる時間を減らしていきましょう。
特にデスクワークメインの仕事に勤めている社会人や料理や掃除などの家事を毎日行う主婦の方は要注意です。
3.運動不足になっている
日ごろ体を動かすことが減っている人も巻き肩になりやすいといえるでしょう。
運動不足によって筋力が弱まると、体のバランスが崩れやすくなり姿勢悪化につながってしまいます。
特に、肩甲骨周りの筋肉が弱くなってしまうと肩や肩甲骨を正しい位置でキープすることができずに肩が前に出てしまう原因となります。
4.横向きで眠る
横向きで眠る習慣のある人は要注意です。
横向きで眠ると上半身の体重が片方の肩にのしかかり、その結果耐えきれずに肩が前に出てしまう原因となります。
また普段使っている枕の高さも影響を及ぼします。
頭が適切な位置にないことで横向きで眠る習慣を助長してしまい、首に負担がかかることがそのまま肩や首のこりにつながってしまいます。
5.筋トレ後のケアが不足している
筋トレした後に十分なケアをせずに終えることは姿勢悪化の原因になります。
トレーニングした後の筋肉は緊張し硬くなっている状態です。硬い状態のまま放置しておくと筋肉のバランスが崩れ姿勢悪化につながります。
特にベンチプレスやダンベルカールなど胸や二の腕の筋肉を鍛える人は多いのではないでしょうか。胸や二の腕は巻き肩になる原因に深く関係する部位になります。
筋トレ後は使った筋肉に対し十分なストレッチを行いましょう。
6.肘に掛けてカバンを持つ
カバンを肘に掛けて持つことも巻き肩の原因となるでしょう。
肘に掛けて持つことで二の腕に力が入り、肩や肩甲骨の位置がズレやすくなります。
できれば両肩に背負えるリュックタイプのものに変えたり、肘掛けで持つ際は持ち手を適度に変えたりする工夫が必要です。
普段からカバンを肘に掛けて持つことの多い女性は特に要注意です。
治らない巻き肩にしない!日常で気をつけたいポイント3選
巻き肩を治すために日常で気をつけたいポイントを3つ厳選して紹介します。
原因を把握できたところでどんな部分に気をつければよいのか見ていきましょう。
- 正しい姿勢で座る
- 仰向けの姿勢で眠りやすい環境を整える
- 定期的に運動を行い体のメンテナンスをする
順番に解説していきます。
1.正しい姿勢で座る
まずは深く腰をかけて、なるべく背もたれは使わずに背中を伸ばして座りましょう。
どうしても疲れる人は背中と背もたれの間にクッションを挟むことで負担が軽減され、疲れずに座ることができます。
またパソコンやスマホを使用する際には前のめりにならないように画面と顔を30cmは離して使用するようにしましょう。
2.仰向けの姿勢で眠りやすい環境を整える
仰向けで眠りにくいと感じている人は、眠りやすくするための環境をしっかり整える必要があります。
そのために適切な高さの枕を用意しましょう。
一般的には仰向けに寝た際に、首の1番低い部分と布団の距離が4cm離れているのがちょうど良い高さと言われています。
ただ姿勢や体型、性別などによって合う合わないは変わってくるため、実際に「息苦しくないか」「肩や首に違和感を感じないか」を確認して、楽な姿勢で眠れる枕を使いましょう。
仰向けで寝ると腰が辛くなる人は、両膝の下にバスタオルを丸めたものやクッションを挟み、少し足を曲げて眠るのがおすすめ!
3.定期的に運動を行い体のメンテナンスをする
日頃から定期的に運動を行い体のメンテナンスを行いましょう。
いくらスマホを触る時間を減らしたり座る姿勢に気をつけたりしても、ずっと正しい姿勢をとり続けることは難しいでしょう。またデスクワークなどどうしても長時間パソコンを操作し続けなければならない人も少なくないと思います。
そのために疲れを感じる前から姿勢を変えたり、普段から体を動かすことが大切です。
運動することで普段使えていない筋肉を鍛えることができたり長時間正しい姿勢をとっても疲れにくい体を手に入れることができます。
実際に病院や整体院などで、専門家に適切なメンテナンス方法を聞くのもおすすめ!
治らない巻き肩を解消する!おすすめ簡単エクササイズ3選+α
「胸や二の腕の筋肉が硬くなる」「肩甲骨周りの筋肉が弱くなる」ことが巻き肩になる理由として挙げられます。
そのため、ここでは以下のおすすめ簡単エクササイズを紹介します。
- 胸の筋肉のストレッチ
- 二の腕の筋肉のストレッチ
- 肩甲骨周りの体操
- 【+α】肩こりに効くツボ
なお、ストレッチは体が温まっているお風呂上がりに行うのが最もほぐれやすく効果的です。ぜひ1つずつ試してみましょう。
1.胸の筋肉のストレッチ
「胸の筋肉(大胸筋)」のストレッチから紹介します。
- 横向きの姿勢で寝る
- 両方の股関節と膝をそれぞれ垂直に曲げて、両肘は自分の目の前に伸ばす
- 2の状態から上半身だけを捻るように片腕を天井方向へと回していく
- 胸から肩にかけての筋肉が伸びていることを意識しながら30秒数える
上半身を捻る時は、膝が離れないように腰から下を固定するのがポイント!
2.二の腕のストレッチ
「二の腕の筋肉(上腕二頭筋)」のストレッチを紹介します。
- 壁に対して横向きに立つ
- 肘を完全に伸ばした状態から指が自分の背中側を向くように手のひらを壁に当てる
- 手は動かさずに体重を前に移動させながら肩だけを前に突き出していく
- 二の腕の筋肉が伸びていることを意識しながら30秒数える
見落としがちですが、二の腕の筋肉は肩甲骨とくっついているため、「巻き肩」に影響します。しっかりとストレッチを行いましょう!
3.肩甲骨周りの体操
「肩甲骨周りの筋肉(僧帽筋や広背筋)」のトレーニング方法を紹介します。
- フェイスタオルを1枚用意しタオルの両端を持つ
- バンザイするように両手を真上に伸ばす(開始位置)
- タオルが後頭部を通過し首後ろの位置に下がるまで肘をゆっくり曲げていく
- 開始位置までゆっくり戻していく
- 3と4を10回繰り返す
顎を引き、胸を張って行うのがポイント!
4.【+α】肩こりに効くツボ
補足として、肩こりに効くツボの紹介をします。
「合谷(ごうこく)」という場所で、親指と人差し指の骨の合わさる部分に位置しています。
- 合谷を囲うように親指、人差し指、中指をそれぞれ当てて気持ちよく感じる強さで押していく
- そのまま3〜5分程度押しつづける
先端の尖っていないボールペンやマジックペンなどを使うのもおすすめ!
まとめ
今回は巻き肩が治らない本当の原因を中心に、改善すべき生活習慣や日常で気をつけたいポイントをお伝えしてきました。
『日常の中に潜んでいる巻き肩になる姿勢や行動を把握できておらず、根本的な解決が行えていない』
- スマホやパソコンを長時間使用している
- 前かがみの姿勢をよくとる
- 運動不足になっている
- 横向きで眠る
- 筋トレ後のケアが不足している
- 肘に掛けてカバンを持つ
- 正しい姿勢で座る
- 仰向けの姿勢で眠りやすい環境を整える
- 定期的に運動を行い体のメンテナンスをする
巻き肩を治すために、まずは普段の生活を改めて見返して「こんな行動が巻き肩に繋がっていたのかもしれない…」と原因を把握して改善していくことから始まります。
それをふまえて正しいストレッチや運動などを行えれば、巻き肩による体の悩みからいち早く卒業できることでしょう。
そして最後に、
もし症状が続き改善の兆しがないようであれば1人で治そうとするのではなく、早めに病院を受診したりしっかりとした専門家に見てもらうことが非常に大切です。
最後まで見ていただきありがとうございました。