「訪問リハビリに興味があって転職しようか迷っている…」
「訪問リハビリって実際どんな仕事内容でどんなやりがいがあるの?」
「訪問リハビリで働くことが向いている人ってどんな人なの?」
訪問リハビリへの転職をなんとなく考えているが、本当にこのまま転職していいのか…悩んではいませんか?
訪問リハビリは病棟やクリニックとは違った魅力が多くあり、毎日やりがいを持って働くことができます。
とはいえ、未経験の分野への転職を決断することはとても勇気が必要になります。実際転職するにあたって、やりがいの他に仕事内容や給料などさまざまな情報を知りたいはず。
そこでこの記事では、実際に訪問看護ステーションへ転職し、今現在訪問リハビリの理学療法士として働いている自分が以下の内容を解説していきます。
- 訪問リハビリとは?(概要、仕事内容、給料、市場動向)
- 訪問リハビリで働く上でのやりがい
- 訪問リハビリで働く上で大変に感じること
- 訪問リハビリで働くことが向いている人の特徴
理学療法士としてこれからのキャリアをしっかりと考えていきたい方にも非常に有益な内容となっています。
ぜひ最後までお読みください。
訪問リハビリとは?
訪問リハビリ(正式名称、訪問リハビリテーション)は、リハビリ専門職が直接利用者の自宅や施設に訪問し、リハビリテーションを提供する介護サービスの一種です。
ここでは、訪問リハビリを詳しく知ってもらうために
- 訪問リハビリの概要
- 訪問リハビリの主な仕事内容
- 訪問リハビリの給料
- 訪問リハビリの市場動向
を解説していきます。それぞれ順番に見ていきましょう。
訪問リハビリの概要
訪問リハビリの目的は、利用者の実際の生活の場に訪問し、日常生活の自立と社会参加の向上の支援を行なっていくことです。
病院やクリニック、介護老人保健施設などに併設された訪問リハビリテーション事業所から提供される訪問リハビリと、訪問看護ステーションから訪問看護の一環として提供される訪問リハビリの2つがあります。
サービスを提供するにあたっての必要な手続きや書類など細かな違いはありますが、利用者やご家族への支援内容に関して大きな違いはありません。
訪問リハビリの主な仕事内容
訪問リハビリで働く理学療法士の代表的な仕事として以下の5つがあります。
- 健康チェック
- 機能評価・リハビリテーション
- 利用者やご家族に対する指導
- 他職種との情報共有やカンファレンスへの出席
- 記録、各書類作成
どれも力を入れて行うべき大切な業務です。
健康チェック
訪問したら必ず先に利用者の健康チェックを行います。
その日の血圧や脈拍、体温などのバイタルサインや全身状態の確認、その他自覚症状などの問診も行い、普段と変わったところがないか確認を行います。
場合によってはリハビリを中止とする判断も必要なため、事前に各利用者のリスクとなる部分をしっかり頭に入れておきましょう。
機能評価・リハビリテーション
健康チェックで問題がなければ、機能評価・リハビリテーションを提供します。
環境や条件が限られる中で、実際の生活に寄り添ったリハビリを提供することが求められます。
利用者やご家族に対する指導
生活機能を維持していくための自主トレメニューを提案したり、食事や更衣などのADL指導を行ったりします。
また利用者のみならず、必要に応じてご家族への介護技術の指導、福祉用具利用の提案、精神的な支援も行います。
しっかりとした指導を行うためにも、ご家族の介護力や協力度合い、理解度などの家族評価が外せません。
他職種との情報共有やカンファレンスへの出席
他職種と連携した包括的支援が求められるため、医師やケアマネージャー、看護師への連絡や報告は日々の必須業務です。
また、退院前カンファレンスや定期的なサービス担当者会議、サービス開始前の契約(主に管理職が担当)など利用者に関わる会議に参加します。
記録、各書類作成
その日の実施した内容や利用者の様子、その他気がついた点を記録にまとめます。
また、サービスを提供する上で必要なリハビリテーション実施計画書や報告書の作成、提出を行います。
文面上のみならず、口頭でも他職種に利用者の様子を報告しておくのがベストでしょう。
訪問リハビリの給料
理学療法士全体の賃金相場と比較した訪問リハビリの給料について説明します。
2021年6月時点のジョブメドレーに掲載されている求人による賃金相場は以下の通りです。
雇用形態 | 全体 | 訪問リハビリ |
正職員(月給) | 28万4,314円 | 30万2,433円 |
契約職員(月給) | 25万5,406円 | 29万1,860円 |
パート(時給) | 2,085円 | 3,007円 |
参考:訪問リハビリテーションとは?事業所の特徴、仕事、内容、給料などを解説!|ジョブメドレー
雇用形態問わず、訪問リハビリの給料が高いことがわかります。
また基本給以外に、月の訪問件数に応じたインセンティブ制度を設けている事業所もあります。そのため給料の上乗せが可能です。
訪問リハビリの市場動向
今の日本は超高齢社会を迎えており、訪問リハビリの市場は拡大傾向です。
実際に一般社団法人全国訪問看護事業協会の調査によると、訪問看護ステーション数は年々増加していることが分かります。
参考:令和4年度 訪問看護ステーション 調査結果|一般社団法人全国訪問看護事業協会
今後も高齢化は加速していくと言われています。そのため今よりも「在宅医療」の重要性が見直され、さらなる市場の拡大が予想できます。
市場の需要が高まっている今こそ訪問リハビリへ挑戦するいい機会でしょう!
訪問リハビリで働く上でのやりがい4選
仕事をつづけていく上で「働くやりがい」は非常に大切なものです。
ここでは訪問リハビリで働く理学療法士が感じるやりがいについて4つ厳選して紹介します。
- 「1スタッフ」という立場を超えた付き合いができる
- 医療や介護に関する幅広い知識を学べる
- 他職種と連携することでリハビリ職としての「自覚」が持てる
- インセンティブ制度が設けられている
順番に解説していきます。
1.「1スタッフ」という立場を超えた付き合いができる
利用者を長いスパンで見ることができ、単なる「1スタッフ」という立場を超えた深い関係を築くことが可能です。
訪問リハビリはその方自身の残りの人生に深く携われるかけがえない仕事です。そしてスタッフとの関わりを何よりも楽しみにしている利用者が多くいます。
自分はどんな関わりができるのか、どんなサポートを行うのか、利用者への向き合い方ひとつで非常にやりがいを持てるでしょう。
自分の行いで利用者やご家族の方に感謝してもらえたときは、何にも変えがたい喜びを感じます。
2.医療や介護に関する幅広い知識を学べる
あまり携わることのなかった医療や介護に関する幅広い知識やスキルを学べることにやりがいを感じます。
訪問リハビリではリハビリ以外の様々な場面で関わる必要があるからこそ、専門分野以外の知識にも触れることができます。
実際自分自身も訪問リハビリで働くようになってから
- 誤嚥防止のための食事姿勢の指導や食形態の評価
- 福祉用具の種類や自宅環境に合わせた福祉用具の選定
- 更衣介助や排泄介助の方法
- 介護保険に関する制度やサービス種類といった前提知識
などを臨床現場に沿った実践的なスキルとして学べました。
普段から様々な知識やスキルを吸収できるため、毎日新鮮な気持ちで働くことができるでしょう。
3.他職種と連携することでリハビリ職としての「自覚」が持てる
他職種の方と一体となった支援が提供できることにも訪問リハビリで働くやりがいとなるでしょう。
介護サービスを受けている利用者には、リハビリ職以外にも看護師やケアマネージャー、ヘルパー、福祉用具専門員など多職種が関わっています。
そのなかの1人として、リハビリ職ならではの視点で指導や提案を行うことが必要です。
そのためリハビリ職としての「自覚」を強く持つことができ、自分を「利用者を支えている大事な1人」だと認識することもできます。
「自覚」を持つことで細かな部分に気づくことができ、自身の成長にもつながるでしょう。
4.インセンティブ制度が設けられている
訪問リハビリで働く上でのメリットとして、インセンティブ制度の導入が考えられます。
実際医療機関の給料は昇給制度のため、短期間での大幅アップは難しいです。
訪問リハビリでは、インセンティブ制度が設けられていることで、訪問件数に応じて給料を上げることができます。
もちろん苦労はありますが、頑張った分だけ形となって反映されることは働くことへのやりがいにつながるでしょう。
訪問リハビリで働く上で大変に感じること3つ
訪問リハビリで働く上で大変に感じることを3つ紹介します。
- 利用者の思いに沿った関わりをする
- 強い責任感が求められる
- 限られた中での最適なリハビリメニューを考える
なお、大変に感じることも仕事への取り組み方しだいでやりがいへとつながります。
それぞれ見ていきましょう。
1.利用者の思いに沿った関わりをする
理学療法士として働く以上、利用者の悩みや思いに沿った関わりをすることは非常に大切です。
ただ、訪問リハビリは生活の中へと入っていくため、リハビリに対する思いや求めている距離感を把握することに大変さをより感じます。
実際、距離感を一切考えずにプライベートに立ち入られることは、利用者に限らず誰でも嫌に感じると思います。
そのため、利用者の思いを尊重しつつどこまで踏み込む必要があるのか、適切なバランスを考えることが上手な関係を築いていくためのポイントです。
2.強い責任感が求められる
介護サービスに関わる者として、強い責任感が求められることに時折大変さを感じます。
事業所を代表して訪問しているため、利用者にとって不利益となる対応をとってしまうと事業所全体の信頼を損ねてしまう恐れもあります。
- 利用者の状態に応じてどんな対応をとればよいのか
- 利用者の性格や心情に応じてどんな関わりが求められるのか
- ご家族とはどう付き合っていくべきか
など、常に事業所の看板を背負って訪問していることを忘れずに、ひとつひとつの行動や発言に責任感を持って働くことが大切です。
ただ、そのぶん利用者やご家族に満足してもらえたり喜んでもらえたときはとてもやりがいに感じます。
3.限られた中での最適なリハビリメニューを考える
各利用者によって自宅のスペースや環境をうまく活用していきながらリハビリメニューを組み立てることに大変さを感じます。
訪問リハビリは、病院や施設などの整った環境とは異なり、リハビリを行う場所が自宅であるため、使えるスペースや器具など環境が大きく限られてきます。
そのような限られた中でも利用者にとっての最適なリハビリを提供することが必要です。
ただ自分ひとりでは思いつかない部分もあります。その際は気兼ねなく上司や先輩に相談することが大切です。
訪問リハビリで働くことが向いている人の特徴3選
訪問リハビリで働くことが向いている理学療法士の特徴を3つ厳選して紹介します。
- 利用者を第一優先に考えたリハビリを提供できる人
- 利用者とのコミュニケーションが好きな人
- 収入アップやキャリアアップなど成長意欲の高い人
理由もそれぞれ解説していきます。
1.利用者を第一優先に考えたリハビリを提供できる人
利用者を第一優先に考えたリハリビを提供できる人は訪問リハビリで働くことに向いています。
自分の行っていることと利用者の求めていることが一致しない自分本位のリハビリを行うことは、利用者との信頼関係が崩れてしまう原因になります。
特に訪問リハビリは利用者の実際の生活を間近で見れるからこそ、より生活全体に目を向けたリハビリを提供することが必要です。
そのため、利用者が今本当に必要としている部分にフォーカスを当てることができる人は訪問リハビリでは大きく活躍できるでしょう。
2.利用者とのコミュニケーションが好きな人
利用者とのコミュニケーションが苦でなく楽しめる人は訪問リハビリが向いています。
利用者の中には、普段人とあまり関わらず寂しい思いをしている方やスタッフとの会話を1番の楽しみにしている方も多くいます。
そのような思いを汲み取り、自ら寄り添える人は訪問リハビリが求める人材といえるでしょう。
利用者の全体像を把握する上でも、コミュニケーションは欠かせません。
3.収入アップやキャリアアップなど成長意欲の高い人
「今より収入を増やしたい!」「早いうちから役職につきたい!」という意欲が強い人も向いている特徴といえるでしょう。
インセンティブ制度により給料を上げやすいこと、そして事業所数も年々増加しているために早いうちから管理職になりやすいのが訪問リハビリの特徴ともいえます。
また残業が少なかったり希望日に休みが取りやすく、資格勉強などまとまった学習時間が確保しやすいことも訪問リハビリをおすすめできるポイントです。
この記事を参考に、後悔しないキャリア選択を行っていきましょう。
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